ロケーションコーディネーターとは?映像制作の縁の下の力持ち

エンタメ記事

映像制作の現場では、表舞台で活躍する俳優や監督が注目されがちですが、その裏側には撮影をスムーズに進めるために奔走する数多くのスタッフがいます。その中でも、作品の雰囲気を左右する重要な職種が「ロケーションコーディネーター」です。略して「ロケコー」とも呼ばれる彼らは、ロケ地の選定から撮影当日の調整までを担当し、まさに縁の下の力持ちとして映像制作を支えています。

1. ロケーションコーディネーターの主な仕事

ロケーションコーディネーターの仕事は、単に「良い場所を探す」ことにとどまりません。映像作品において、脚本の世界観や監督のビジョンに最も適したロケ地を探し出すところから始まります。

  • ロケ地の提案・選定: 脚本や企画書を読み、制作意図を理解したうえで、ふさわしい場所を探します。
  • ロケハン(下見): 候補地を実際に訪問し、撮影に適した場所かどうかをチェック。必要であれば写真や動画も撮影します。
  • 使用許可の取得: 公共施設、私有地、店舗など、あらゆる撮影場所について、使用許可や契約の手続きを行います。
  • 近隣との調整: 撮影による迷惑を最小限に抑えるため、事前に地域住民や店舗などへ説明・挨拶を行います。
  • 撮影当日の立ち会い: 撮影チームとロケ地の橋渡し役として、トラブル対応や進行のサポートをします。

2. ロケーションコーディネーターの一日

案件の状況によって大きく変わりますが、ある日の一例は以下の通りです。

  • 9:00 撮影の打ち合わせに参加。監督や制作陣とロケ地の方向性を共有。
  • 11:00 ロケハン(下見)のために数カ所のロケ地を訪問し、撮影写真を記録。
  • 14:00 地元自治体へ許可申請書を提出。交通規制の相談も行う。
  • 16:00 ロケ地の管理者と最終確認。使用条件、トイレや電源の確保などを調整。
  • 18:00 制作チームに報告書提出、撮影日程の最終確認。

3. この仕事に必要なスキル

  • 交渉力: 撮影許可を得るためには、施設管理者や自治体との丁寧な交渉が不可欠です。
  • 情報収集能力: ロケ地に関する情報を効率よく集め、条件に合う場所を短時間で見つけ出す力が必要です。
  • マルチタスク力: 同時に複数の現場や関係先を調整する場面も多く、整理力が求められます。
  • トラブル対応力: 雨天によるスケジュール変更、近隣からのクレーム、予期せぬ通行止めなど、当日の対応力も必須です。

4. ロケーションコーディネーターのやりがい

ロケーションコーディネーターの最大のやりがいは、自分が選んだ場所がスクリーンに映し出され、多くの人に感動や印象を与えることです。作品が完成し、「この場所で撮ってよかった」と言われたときの喜びは格別です。

また、映像制作の最前線でスタッフや役者と関わりながら、「作品を裏から支えている」という実感を持てるのも魅力です。時には地方の観光振興や地域活性化にもつながる仕事であり、社会的な意義もあります。

5. ロケコーに向いている人

・人と話すのが好きで信頼関係を築ける
・スケジュール管理や段取りが得意
・撮影現場の緊張感や臨場感が好き
・地域との橋渡し役として貢献したい

これらの特徴に当てはまる人は、ロケーションコーディネーターの適性が高いといえます。

6. まとめ

ロケーションコーディネーターは、映像制作の現場を物理的に支える「舞台の設計者」です。多くの関係者と信頼関係を築きながら、最高の作品づくりを裏側から支える存在。目立たないながらも、非常に責任ある重要なポジションです。映像業界に興味があり、人と場所をつなぐ仕事に魅力を感じるなら、ぜひ目指してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました