40年前の私のファーストソロ旅
40年程前大学生だった私
学生寮での生活もそれなりに楽しかったけれど
常に誰かと一緒に少し疲れて、
現実逃避したくなり一人で京都へ…
何故京都だったのか…
田舎で生れ育った私には京都は憧れだった
ただそれだけで京都へ向かったものの
ホテルに泊まるお金はなく…
本屋さんで立ち読みしたガイドブックの隅で見つけた
「宿坊」の掲載が
ホテルに比べるとかなり安価だった
「月真院」
電話番号をメモして公衆電話から電話をかけた
優しい声だった…
「今から向かいます」と電話を切った
ところが辿り着かない…
今のようにナビがあるわけではなく交番で道を聞いて
再び歩き始めた
暗くなったお寺の門前に、誰かが立っている。
それは、私の到着を心配してずっと外で待っていてくれたお坊さんの姿だった。
「あぁ、よかった。心配しましたよ」という言葉に、張り詰めていた緊張が一気に解け、
人の温かさが心に染み渡った瞬間。
お巡りさんも心配をしてお寺に連絡してくれていたようです
その夜、広いお寺の宿泊者は私ただ一人。そこで出会ったのは
青い目をした若い修行中の外国人のお坊さん。
お金はなかったけれど、
静寂に包まれたお寺の中で、畳の匂いを感じながら過ごしたその夜は、
何にも代えがたい贅沢な時間だった。
時が流れ、今はもう月真院は宿坊をやめてしまった…
現代なら、スマホのナビで迷わず着けただろうし、
事前にSNSで情報も集められたはず。
けれど、あの「不便だったからこそ出会えた人の温もり」や
「心細さのあとの安堵感」こそが、私を旅の虜(とりこ)にした。
私の「素敵ライフ」の原点は、あの京都の静かな夜にある。

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